ご長寿ワンちゃん家庭訪問 那須研究所研究員 木村さんが行く!
高橋まるちゃん

[第2回]これまで「肥満」とは無縁!食べることよりもお散歩が大好きな『まる』ちゃん(15歳)

若い頃からベスト体重を維持し、今でもしっかりとした足取りで朝夕40分ずつの散歩をこなすという『まる』ちゃんへ会いに、神戸市の高橋さん宅を訪問しました。

ご長寿犬データ
今回のご長寿犬まるちゃん(15歳/MIX(サモエド系)/メス(避妊手術済み))
飼い主さん高橋さん(神戸市)
同居犬現在はなし。4歳までは『ポチ』(MIX/オス/享年18歳)がいた。
性格おとなしく、猫に自分のフードを横取りされても怒らない。よその犬や人に対して人見知りはするが、撫でてくれる人は大好き。
出会い香川県に帰省したとき、子犬のまるを保護。飼い主がいないようだったので引き取り、新幹線で連れて帰った。
飼育形態屋外飼育

一日中お庭で、のんびり自由に過ごしています

木村(以下青字) こんにちは、今日はよろしくお願いします。さて、本日の主役・まるちゃんは、どちらにいるのでしょうか?

高橋さん(以下黒字) まるは庭にいます。お客様が来たから気になるのか、ウッドデッキからこちらの様子をうかがってますよ。

高橋まるちゃん

――まるちゃん、よろしくね。今15歳とお聞きしていますが、毛づやも毛ぶきもよくて、全体的に若々しい印象ですね。普段からずっとお庭で過ごしているのですか?

そうです。ごらんのように、一日じゅう庭でのんびり自由にしています。年を取ってきたので家の中に入れてあげたい気持ちもあるのですが、抜け毛などの問題もあるし、トイレも外ですので。おしっこは庭で、うんちはお散歩のときにしています。トイレのやり方は、まるが4歳になるまで一緒にいた、兄貴分の『ポチ』が教えたようです。オスのやり方を真似たので、まるはメスなのに足を上げておしっこをするんです。これはもう一生治らないみたいです(苦笑)。

――そういうお話、ときどき聞きますね(笑)。うんちはお散歩のときに、とのことですが、毎日のお散歩はどのくらいしていますか?

基本的には、朝と夕方の1日2回です。私は仕事があるので、平日の散歩は母にまかせ、私は主に休日の散歩担当です。母が行くときは1回40分くらい。近所をぐるっと回って帰ってきますが、歩く距離や速度は若い頃に比べてもほとんど変わりません。「もう帰ろうか?」と言っても、まるは「まだまだ」といった感じです。

――15歳で、1日2回計80分ならば、運動は十分でしょう。普段から歩いているせいか、まるちゃんは足腰もしっかりしているみたいですが、何か老いの兆候を感じることはありますか?

年を取ったなあと感じるのは、14歳頃から耳が遠くなったことでしょうか。最近では近くまでいっても気づかないこともあります。それ以外は、目は白内障にもなっていないし、足腰もしっかりしています。歯も健康で抜けていませんし、認知症などの症状も特にありません。

まるは動物病院が苦手。でも大病の経験もなし獣医さんにはなんでもよく相談します

――健康状態はいかがですか? これまで大きな病気をした経験は?

もともとイボができやすい体質で、若い頃にイボを取ったことはあります。それから、2〜3年前にブドウ膜炎にかかり、眼科の専門病院で、3〜4ヶ月間治療を続けたこともありました。病気と言ったらそれくらいで、内科系の病気などにかかったことはありません。

――もともと体が丈夫なのですね。病気の予防対策については何か行っていますか?

狂犬病の予防注射、フィラリアの予防とノミの駆除は毎年行っています。動物病院は車で15分くらいの場所で、先代犬のポチのときからお世話になっているところにずっと通っています。もう少し近所にも病院はあるのですが、健康のことだけでなく、しつけや食事のことなど、なんでもよく相談にのってくださる先生なので信頼しています。でも、まるは動物病院が苦手で、暴れることこそありませんが、待合室ではいつもぶるぶる震えています。

昔から食べることに執着がなく、最近、少しやせてきたことが心配です

――15歳という年齢になり、健康面で何か気になることはありますか?

今は特に持病もないし元気ですが、体重が少しずつ減っているのがちょっと心配です。ベスト体重は17kgくらいで、避妊手術後も太ることなく維持していたのですが、12〜13歳頃からやせてきて、今は15kgくらい。毛がふさふさしているから一見わかりづらいのですが、シャンプーのときに体をぬらすと、「こんなに細いんだ」と気づかされます。獣医さんにも相談したのですが、「肋骨が浮き出ているわけではないので、やせすぎというほどではない」と言われました。

高橋まるちゃん

――食欲はいかがですか? 食が細くなってきたなどの変化はありますか?

もともとあまり食べるほうではなくて、若い頃からいつも食べ残していました。食に対する欲がないというか、食べ残しを野良猫に横取りされてもぜんぜん怒りません。食器をしばらく出したままにしても結局食べないし、それこそ野良猫に狙われるので、食べなかったら早めに片づけるようにしています。食事は1日2回で、朝と夕方の散歩の後に。食事中は側にいて、食べ残したときに「もう食べへんの?」と声をかけてあげると、「じゃ、ちょっとだけ…」という感じでまた食べ始めたりもしますが、やっぱり残してしまいます……。

――残すのはフードの量が多すぎるから、ということはありませんか? どんなフードをどのくらい与えていますか?

以前は特に銘柄は決めず、いろいろなフードをあげていましたが、7歳頃からは動物病院で勧められたシニア用のドライフードにしています。分量はきっちり測っているわけではありませんが、目安にしているコップ1杯(約100g)を1回分にしているので、与える量は一定していると思います。もっとも食べ残す量も一定していて、4割くらいは残してしまいます。

――コップ1杯が100gで、その6割を食べているとしたら1回60g、朝夕2回で1日120g。まるちゃんの体重15kgからみた計算上の適量はだいたい200gですから、与えすぎて残しているわけではなさそうですね。

肥満防止のために間食は控え、甘い食べもののおすそ分けは絶対にしません

――ドッグフード以外に与えているものはありますか? 食事のときのトッピングや人の食べ物のおすそ分け、間食などはどうでしょう?

7歳から11歳くらいまでは、缶詰をドライフードにトッピングしていました。最近は、お肉(牛、豚、鶏)を茹でたものや、そこに野菜を少し混ぜることもありますが、それほど頻繁ではありません。朝食のパンをときどきおすそ分けすることもあります。そういうときは喜んで食べますが、甘いお菓子やケーキなどは、肥満防止のために、絶対にあげないようにしてきました。犬用のおやつも、ジャーキーやビスケット、歯みがきガムなどを、私たちが留守にするときにあげるようにしていますが、毎日ではありません。でも、歯みがきガムは歯の健康も考えて、毎朝食後に1つあげています。

――ドッグフードを食べない代わりに、間食をたくさん食べるコがいますが、まるちゃんの場合は、間食もそれほど多くなさそうですから、もともと食が細いのでしょう。急に食欲が落ちたわけではなく、食べ残しは若い頃からということですし、自分で食べる量をコントロールしているようですね。健康状態がよければ、無理にたくさん食べさせることもないと思いますよ。

ドッグフードを残すことは、悩みの種だったんです。先代犬のポチは、まるとは対照的に何でもよく食べるコで、ドッグフードも銘柄をあまり気にせず、特売のフードでも喜んで食べていました。それなのに、まるは動物病院で勧められたシニア用のフードをあげても残してしまうので、そのフードに飽きてしまったのかなとも思っていたんです。でも、今の言葉を聞いて少し安心しました。

いつまでも元気で、大好きなお散歩ができるようサポートしてあげたいと思います

――まるちゃんは今15歳。高齢犬との生活に思うこと、これからどんなふうに過ごしていきたいかなどをお聞かせいただけますか?

まるの顔を見ていると、私や母も本当に癒されますし、まるも撫でられると幸せそうな表情をしてくれます。この生活が少しでも長く続けばいいな、と強く願っています。実は先代犬のポチは、18歳までがんばったのですが、最後は熱射病で亡くなりました。その反省もあって、まるにはもっと長生きしてもらいたいのです。このまま大きな病気にもかからず、ごはんも食べて、最後まで普通に散歩ができて……、そんな毎日をいつまでも送れるようにサポートしていきたいと思います。

――まるちゃん、このまま若さをずっとキープして、いつまでも元気で長生きしようね。
本日はどうもありがとうございました。

インタビューを終えて…(日清ペットフード那須研究所 研究担当 木村聖二)

まるちゃんは、目も歯も足腰もまだまだしっかりしていて、毛づやもよく、15歳の高齢犬には見えない若々しい印象を受けました。先代犬のポチとの悲しい別れの経験から、まるには長生きしてほしいという高橋さんの思いが、インタビューからも伝わってきました。食生活では、甘いお菓子やケーキなどは絶対に与えず、間食もそれほど多くありませんでした。まるちゃんがもともと「食いしん坊」ではなかったことも功を奏して、これまで一度も肥満にならず、ベスト体重を維持できたことが、長寿の大きな秘訣と言えそうです。