ご長寿ワンちゃん家庭訪問 那須研究所研究員 木村さんが行く!
武岡ナナちゃん

[第3回]年齢なりのお悩みはあれど、よく食べよく寝ておだやかに暮らす『ナナ』ちゃん(16歳)

今回ご登場の『ナナ』ちゃんは御年16歳! 16年間のいろいろなエピソードを、飼い主の武岡さんご夫妻(神戸市)にお聞きしました。

ご長寿犬データ
今回のご長寿犬ナナちゃん(16歳4カ月/MIX(柴犬系)/メス(子宮内膜炎にかかり手術))
飼い主さん武岡さん(神戸市)
同居犬なし
性格小さい頃からおとなしい。無駄吠えもしない。
出会い知り合いのところで生まれた子犬を譲り受けた。
飼育形態室内飼育

子犬のころ、世話の大変さに一度は手放しかけたけど……気づけばあれからもう16年!

武岡ナナちゃん

木村(以下青字) こんにちは、今日はどうぞよろしくお願いします。ナナちゃんも、こんにちは。ナナちゃんは16歳とのことですが、元気そうですね。

武岡さん(以下黒字) 16歳だというとびっくりされます。毛づやがいいと、皆さん言ってくださって。ご近所には高齢犬がけっこう多いのですが、他の16歳の犬に比べたら元気なほうではないでしょうか。

――ナナちゃんとの出会いは、どういうきっかけだったのですか?

ナナは知り合いのところで生まれた子犬で、もともと引き取る予定だった方が家庭の事情で飼えなくなってしまったんです。僕はもともと犬が好きだったので、かわいいし、雑種なら体も強そうだから大丈夫かなと思って飼いはじめました。いままでに犬を飼ったことはなかったので、初めの頃は夜鳴きが激しかったり、けっこう大変で困り果ててしまって…。実は一度、元の飼い主さんにお返ししたんです。でも、数カ月後にそのお宅に伺ったら、僕の顔を見てナナが喜んでくれて。ああ、まだ覚えていてくれたのかとうれしくなって、もう一度がんばってみようと。また一緒に暮らしはじめてから、もう16年になります。

奥様(以下 赤字) 私は実家で犬を飼っていたので犬は好きでした。主人と結婚したときはすでにナナがいて、主人とナナの関係がとっても密だったんですよ。私がちょっと焼きもちを焼くくらい。でも今では逆転して、ナナは私のほうにべったりです(笑)

――ナナちゃんはお二人から愛情をたっぷりもらっているようですね。いろいろなエピソードが聞けそうで、楽しみです。

やっぱり年齢なりに、いろいろな変化は出ています

――犬の16歳は人間の年齢に換算すればだいたい80歳くらいということになりますが、ナナちゃんが年を取ったなあと感じることはありますか?

元気そうにみえても、やはり年齢なりにいろいろとあります。顔の毛などはずいぶん白くなりましたね。歯や鼻はまだまだしっかりしていますが、1〜2年前から耳が遠くなりはじめて、今はインターホンの音にもほとんど反応しなくなりました。私が帰宅しても気づかないこともあります。外出もおっくうになったようで、以前は一緒にでかけていた休日の買い物も、最近はあまり行きたがりません。寝ている時間が長くなって、昼間もほとんどぐっすり寝ています。

――そのあたりは年相応の変化といえるでしょうね。さすがに、若い頃とまったく変わらずというわけにはなかなかいきませんから。健康面ではいかがですか? もともと体は丈夫だったのでしょうか?

そうですね。実はナナの母犬は、14歳でこのコを産んだんです。超高齢出産! ですので、ナナの健康面に何か影響が出るのでは…と思っていたのですが、まったく問題ありませんでした。若い頃はとても丈夫で健康そのもの。ただ、避妊手術を受けさせていなかったので、12歳のときに子宮内膜炎にかかり、手術をしました。去年は交通事故にも遭ったんです。奇跡的に骨折もなく、7〜8針縫うケガと軽い脳しんとうですんだので、本当にホッとしました。
今心配なことは、少し出はじめている痴呆の症状。夜にときどき部屋の中をうろうろ徘徊するようになりました。普段は行かないような洗濯機のすき間に入ろうとすることも。最近はてんかん発作も起こすようになって、1週間から10日くらいに一度、明け方にひきつけみたいな発作を起こすんです。

――認知症は特に日本犬系のワンちゃんに多くみられるといわれていますから。
てんかんのほうは何か治療はされているのですか?

はい、動物病院にもらった薬を飲ませています。薬のためか、ナナは少し足がふらつくようになり、家では寝てばかり。その反面、病院に行くと大暴れなんです。それまでは、フィラリア予防の時期と、ケガをしたときくらいしか動物病院に行きませんでしたから、基本的に病院は苦手のようです。獣医さんからは「元気なおばあちゃんだね」と言われています(笑)

心とからだの変化に応じて、いろいろとサポートしています

――高齢になってから、変化に応じて何か生活面で配慮していることはありますか?

12〜13歳になったとき、室内で排泄できるようにトイレのしつけをしました。それまでは外でさせていたのですが、当時住んでいたマンションの周りは坂道が多くて、外へ連れ出すのが大変だったので。雨の日はナナも出たがらないので、家の中でしてくれたらいいなと思って覚えさせました。室内のトイレでおしっこをしたときは、すごく褒めてあげるようにしています。
今でもウンチは外でしますから、散歩は毎日、朝晩2回行きます。1回20〜30分くらい。時間的にはこれまでと変わりませんが、散歩に行っても、ウロウロしてニオイばかり。以前よりも歩く距離は短くなっていますね。

武岡ナナちゃん

――その年齢からのトイレのしつけは大変だったと思います。よくがんばりましたね。
ほかにお家の中の生活で、何か工夫していることはありますか?

以前は月に1度行っていたシャンプーを、年を取ってからすごく嫌がるようになってしまって。獣医さんに相談したら「無理にやらなくても、シャンプータオルで拭くだけでもいいですよ」とアドバイスを受けたので、最近はそうしています。それから、特別に何をしているというわけではないけれど、今は足腰がふらついているので、何かにぶつかってケガをしないように気をつけています。もっと足腰が弱ってきたら、食事のときに下を向くのも大変だと思うので、食べやすくなるように台を作って高くしてあげようと考えています。

少しでも長生きしてほしいから、『高齢犬用』のフードを意識して選んでいます

――食事についてお聞きしたいのですが、食事はどんなものを与えていますか?
食欲は若い頃と比べて変化はありましたか?

食欲は子犬の頃からずっと旺盛。基本的に何でもよく食べてくれるので、困ったことはほとんどありませんね。食事の基本はドライフードです。朝と晩の1日2回。ドライフードだけではかわいそうだと思い、高齢犬になってからは、夜ごはんだけ、ドライフードに缶詰を少し混ぜてあげています。ただ、缶詰のほうが食欲をそそるらしく、ドライフードを避けて缶詰だけ食べようとするので、フードボウルの下に缶詰、その上にドライフードを乗せてあげています。

――などほど、トッピングではなくて缶詰が下というわけですね。なかなか考えましたね! フードの量としてはどのくらい与えていますか?

パッケージに表示してある量を目安にしています。ドライフードの1日の量は、計量カップで1杯半くらいです(約150g)。いつもきっちり計っているわけではなく、フードボウルにこれくらい、という目分量ですが。朝は少なめで夜は多めです。あくまでもメインはドライフードにしたいので、夜の缶詰は小さい缶を半分もあげていません。

――ドライフードは成犬用、高齢犬用といった具合にライフステージ別にわかれていますが、それをフード選びの目安にしていますか? 現在与えているのはどんなタイプですか?

やはり、少しでも長生きしてもらいたいので、『高齢犬用』と書いてある商品を意識して選ぶようにしています。DHA配合とか成分もいちおうチェックしますし、なるべく歯に負担がかからないほうがよいかと思い、小粒のものを選ぶようにしています。

ダメだとわかっているけれどついつい「おすそ分け」もしていました

――ドッグフード以外に与えているものは何かありますか?

朝の散歩の後に、牛乳を少し飲ませています。犬に牛乳はよくないと聞きますが、お腹も壊さないのでナナには大丈夫のようです。あとは肉が大好きなので、毎日ではないけれど人が食べる肉を味付けしないで与えることもあります。与えたらダメだってことはわかっているけれど、欲しいとせがまれるとつい……。以前は、人のお菓子をあげていたことがあって、耳がよかった頃は、お菓子の袋を開ける音を聞きつけて寄ってきました。きゅうりやにんじん、大根などを小さく切って生であげることもあります。でも、どれもそんなにたくさんはあげていませんよ。

――おやつはどうですか? あげることはありますか?

以前は留守番したときのごほうびにジャーキーなどをあげていました。でも、子宮内膜症で手術をしたときに、思ったよりも脂肪がたくさんついていたことがわかったので、肥満予防のためにも、今はなるべく間食はあげないようにしています。

――見たところ、ナナちゃんは太っているというほどではなさそうですが、体重はどのくらいですか?

約10kgです。若い頃から目立った体重の変化はありません。子宮内膜炎の手術をする前は今よりは少しぽっちゃり気味で12kgくらいありましたが、肥満はよくないので、太らせないように意識してきたつもりです。

――肥満は万病の元ですからね。おやつもついあげたくなってしまいますが、肥満防止のためにやめたのはよい心がけだと思います。

大切な家族の一員だからこれからもできるだけ長く一緒にいたいです

――ナナちゃんは今16歳。ここまで元気で来られた長寿の秘訣はなんだと思いますか?

特別なことをしてきたという意識はないのですが……。しいてあげるとすれば、肥満に気をつけて太らせなかったことと、家の中を好き勝手自由にさせてきたことでしょうか。

普段二人でいるときも、ナナが話題の中心になることが多いんです。子宮内膜炎で入院したときは、家の中がなんだかシーンとしてしまって。入院中、病院のフードを食べないというので、いつも食べているフードを届けに行ったら、「クーン」とナナに甘えられて涙が出ました。去年、交通事故に遭ったときは、もうダメかもしれないと。でも、奇跡的に軽症ですんで本当によかった。ナナは大切な家族の一員。これからもできるだけ長生きしてほしいです。

――そうですね。交通事故も乗り越えたナナちゃんは、運が強いのかもしれません。これからも元気でのびのび毎日をすごして、ぜひ20歳を目指してください! 本日はどうもありがとうございました。

インタビューを終えて…(日清ペットフード那須研究所 研究担当 木村聖二)

ナナちゃんのお母さんが14歳での高齢出産だったとはびっくりです。もともと丈夫で長生きの家系なのかもしれませんね。それにプラスして、武岡さんご夫妻が、大切にのびのびと育ててこられたこと、食事もおすそ分けなどをしていたようですが、基本はドライフードを中心に、肥満予防を心がけて節度をもって食事管理をしてきたなどが長寿の秘訣でしょうか。健康面では、もともと丈夫なワンちゃんも、年齢を重ねるごとにいろいろな病気やトラブルが出てくるものです。けれども、動物病院にきちんと通われているので、不調な部分をサポートしつつ、これからも元気に毎日を送っていただきたいと思います。