ご長寿ワンちゃん家庭訪問 那須研究所研究員 木村さんが行く!
後藤プチちゃん

[第4回]用心深く、無茶もせずマイペースにのんびり過ごす『プチ』ちゃん(17歳)

『プチ』ちゃんはただいま17歳と2カ月! ときどき若い犬たちに刺激を受けながら、のんびりとおだやかに過ごすその暮らしぶりを、後藤さんとお母様(愛知県瀬戸市)に伺いました。

ご長寿犬データ
今回のご長寿犬プチちゃん(17歳2カ月/パグ/メス(避妊手術済み))
飼い主さん後藤さん(愛知県瀬戸市)
同居犬なし
性格おとなしくておっとりしている。用心深くて臆病な一面も。
出会い中学生の頃、映画『子猫物語』に出ていたパグ犬の「プー助」に憧れて、ペットショップを訪れた際に出会ったのがきっかけ。
飼育形態室内飼育

ときどき遊びにやってくる若い犬たちに刺激を受けています

後藤プチちゃん

木村(以下青字) こんにちは、本日はよろしくお願いします。プチちゃん、こんにちは。パグって愛嬌たっぷりでかわいいですよね。赤いお洋服もよくお似合いです。

後藤さん(以下黒字) ありがとうございます。年なので、寒いときは洋服を着せるなどして、暑さや寒さには気をつけています。

――おや、こちらで元気いっぱいに走り回っているチワワちゃんたちも、一緒に暮らしているのですか?

いえ、このコたち、『ポン』(1歳11カ月/オス)と『カン』(1歳8カ月/メス)というのですが、私が結婚してから飼いはじめたので、一緒に住んでいるわけではありません。でも、ちょくちょく遊びにきているので、プチともすっかり仲良しです。

お母様(以下 赤字) 普段は私とプチのふたりきりでのんびり過ごしていますが、ポンとカンが来るようになってから、プチもなんだか少し元気になった気がします(笑)。この2匹はまだ若いからプチにちょっかいを出すのですが、それが刺激になっているのかも…。

――若者たちから刺激を受けて、心身共に若返ったのかもしれませんね。プチちゃんは、17歳と2カ月ですか。さすがに、 若いポンちゃんやカンちゃんに比べると、動きはゆっくりしていますが、毛づやもよいし、見た目にはそれほど年老いているという感じはしませんね。

プチを飼いはじめたころ、最初は片手に乗るくらい小さかったんですよ。けれども、17年も経つと、プチもさすがに年をとったなぁと感じます。10歳くらいから顔の毛がだんだん白くなりましたし、14歳くらいからは目が白くなって白内障が進み、今はあまり見えていないみたいです。

あと、寝ている時間が増えて、1日の大半は寝ています。耳も少し遠くなってきているよう。他にも、2〜3年前から足腰が少しふらつくようになって…。でも、部屋の中は自由に歩き回ることができますし、ドアの前の段差もつまずかずに越えることはできます。

お散歩はもともと好きじゃないので今は室内やベランダを気ままにぶらぶらしています

――足腰がふらつくようになったということですが、お散歩はどうしていますか? 今でも毎日行っているのですか?

散歩はもともとあまり好きじゃなくて。以前は1日1〜2回で20〜30分行くようにしていましたが、その頃からしぶしぶ着いてくる感じ。よその犬と会うのが少し苦手なので、犬の少ない時間帯を選んで散歩していました。

足がふらつくようになってからはほとんどお散歩していません。プチも別に行きたがらないから無理させることはないかと思って。室内を自由にぶらぶらしているか、お天気がよい日にベランダで日向ぼっこをしています。

――散歩好きのワンちゃんにとっては、いくつになっても散歩がよい気分転換になるようですが、プチちゃんが行きたがらないのであれば、無理に行くこともないと思いますよ。室内だけでも、運動は足りているでしょうし。お散歩に行かないということは、トイレはしっかり室内でできているのですね。

他にしつけらしいしつけはしなかったのですが、トイレはちゃんとしつけて、お風呂場でさせるようにしています。床が白いのでオシッコの色の変化もすぐに気づくことができるし、排泄後はすぐに水で流すことができますから。ウンチは食後、とタイミングが決まっているので、出たらすぐに片づけます。

――お風呂場ですか。なかなかよい場所を思いつきましたね!
ほかに高齢になってから特別に気をつけていることは何かありますか?

目があまり見えなくなってきているので、急に体に触って驚かさないように、必ずひと声かけてから触ったり抱っこしたりするようにしています。

毎月1回は爪切りなどで動物病院に行くので健康管理は万全です

――若い頃からの健康状態はいかがでしたか? 大きな病気の経験などはありますか?

軽い膀胱炎と、耳の汚れがひどくて内耳炎になったことはありますが、大病やケガをしたことはありません。胃腸の調子もよくて、下痢もほとんどしたことがないほど。それから、家では爪切りができないので、若い頃からずっと、毎月1回、爪切りと耳そうじと肛門腺絞りのために動物病院へ行っています。そのときに体重測定と簡単な健康チェックもしてもらっているんですよ。獣医さんには、「心音はまだまだ若い」とお墨付きをもらいました! あと、もちろん、狂犬病予防接種、5種混合ワクチン、フィラリアの予防薬は毎年やっています。

――毎月1回、動物病院ですか。それはとてもよいですね! 病気も初期の段階で発見することができますよね。もともと体が丈夫だったことと、獣医さんとの連携プレイでこまめに予防対策ができていたから、プチちゃんの健康は守られてきたのですね。

そうですね。今通っている動物病院とのつき合いは長いので、健康のことでも食事のことでも、なんでも先生に気軽に相談して、いろいろアドバイスをいただいています。

食事はドッグフードに野菜をトッピング。母の作るスープでなければ食べません

――プチちゃんの健康管理は万全なようですから、健康面で心配なこととか気になることはなさそうですね。

そんなこともありません。最近気がかりなのは、年を取って体重が少し落ちてきたこと。若い頃は5.8kgくらいだった体重が、3歳で避妊手術をした後に太ってしまい、ピーク時は7kgに! そのときは、ドッグフードを少し控えめにして、野菜入りのスープを多めに混ぜて調整したり、間食をやめたりしたので、なんとかまた5kg台に落ち着きました。でもいまは5.2kg。食欲はあるけれど食が細くなって、体重が少しずつ減っているので、なんとか今の体重をキープさせたいと思っています。

――高齢になると食が細くなるワンちゃんもけっこういますからね。食事はどんなものを与えているのですか?

子犬の頃はドッグフードが中心。その後、しゃぶしゃぶの残りの肉を食べさせてから、フードだけではあまり食べなくなってしまったので、手作りの野菜スープをトッピングしています。プチは食べ物にこだわりがあるというか用心深いというか、他人からもらったものは絶対に食べないようなところがあって。トッピングのスープも母が作ったものしか食べないんです。母が留守にするときは私も同じように作るのですが、ダメですねぇ(笑)。

主に鶏肉と、白菜やキャベツ、ニンジンなどそのときどきの野菜を入れてスープ状にして、それをドッグフードにかけています。スープはある程度まとめて作って冷凍しておいて、食事のときに電子レンジで解凍して与えるんです。本当はドッグフードだけでよいとは思うのですが、それだけではなんだか味気ないので、何か手作りしたものをあげたいという思いもありまして……。

でも、完全に手作り食というわけではなくて、主食はあくまでもドッグフードで、野菜を中心にいちおう栄養バランスは考えているつもりです。プチは水をあまり飲まないので、トッピングのスープでほどよく水分補給もできているのではないかと思うのですが……。

――総合栄養食であれば、栄養的にはそれだけで十分。ただ、味気ないと思われるお気持ちも理解できます。野菜スープくらいであれば多少のトッピングも大丈夫でしょう。水分補給にスープというのもいいですね。
ちなみに、ドッグフードはどのくらい与えていますか? 分量は何かを目安にしているのでしょうか?

後藤プチちゃん

きっちりと計量しているわけではありませんが、ラーメン用のレンゲを計量スプーンの代わりにして、山盛り1杯(ドライフードで約16g)を1回分と決めています。器に入れたら、フードが浸るくらいのスープをトッピング。これを朝晩2回与えています。まったく食べない日もありますが、食べ残すことはほとんどありませんし、食べ終わった後も物足りなさそうにもしないので、量もちょうどよいんじゃないでしょうかね。

フードは、ドライタイプより半生タイプのほうが好きみたい。半生にトッピングすることのほうが多いですね。ずっと同じフードだと飽きてしまうようなので、その時々で食べそうなものを選んでいます。

ポンとカン用に買い置きしておいた小型犬用のドライフードが最近のお気に入り。よく食べるので、いまはそれをあげています。

――量はだいたいいつも一定量に決められているようですね。ところで、ポンちゃんやカンちゃんと同じフードということは、成犬用ですか? 高齢犬用フードをお使いになったことはありますか?

ええ。高齢犬用のフードを意識して買っていた時期もあります。でも、食が細くなったことが気になって獣医さんに相談したら、「食べなくなるようならば、プチちゃんが食べたいものを与えてもいい」と言われたので、高齢犬用フードはお休みして、今は好んで食べるフードをあげるようにしています。やっぱり体重が落ちてしまうのは心配ですから。

今の暮らしに何の苦労もないのでプチが生きたいだけ生きてくれたら本望です

――食欲のムラや体の老化はあるけれど、プチちゃんはまだまだ元気。これは最後にみなさんにお尋ねしているのですが、元気に年を取る長寿の秘訣はなんだと思いますか?

あまり意識したことはないけれど、プチの嫌がることはしなかったし、無理をさせなかったことがよかったのかも。その分、少しワガママに育ててしまいましたが、もともと神経質で用心深い性格だから、プチ自身も無茶なことをせず、おだやかに過ごしてきたのがよかったのではないかと思います。

今はまだ元気ですが、今後ますます老いが進むとどんな症状が出るのかが心配。もしも留守中に何かあったら……と思うと、心配であまり遠出もできないんですよ。でも、このまま大きな病気をすることなく、自然に老衰を迎えるのであれば悔いはありません。プチとの今の暮らしに何の苦労があるわけでもないので、プチが生きたいだけ生きてくれればいい。まだまだ長生きしてほしいですね。

――お二人の愛情プラス、ポンちゃんとカンちゃんから若いパワーをもらって、プチちゃんにもぜひ20歳を目指していただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

私もプチの17年をふり返って、子犬の頃のことも思い出して楽しかったです。

インタビューを終えて…(日清ペットフード那須研究所 研究担当 木村聖二)

人見知りのはずなのに、インタビュー中、側に寄ってきて気持ちよさそうに体を撫でさせてくれたプチちゃん。それにしても、出会ったころは中学生だった後藤さんが、今ではご結婚されて実家から独立とは! 17年の歳月を感じますね。その間プチちゃんは、ご家族のそばでみんなを和ませていたのでしょう。今回の訪問でも、プチちゃんとご家族の深い絆が伝わってきました。
食事面では、手作りのテイストを加えつつも、ドッグフードを中心に適量を与えてきたことがよかったようです。毎月1回、動物病院へ足を運んでいたことも、大病の予防につながったはず。かなり大きな長寿の秘訣といえそうですね。