ご長寿ワンちゃん家庭訪問 那須研究所研究員 木村さんが行く!
今井クックちゃん

[第5回]広い芝生のお庭の日だまりで自由にのびのび暮らす『クック』ちゃん(15歳5カ月)

15歳と5カ月とは思えないほど、毎日、よく食べてよく遊び、お庭でのびのびと過ごしている『クック』ちゃん。その若さと元気の秘密を探りに、神戸市の今井さん宅におじゃましました。

ご長寿犬データ
今回のご長寿犬クックちゃん(15歳5カ月/MIX(柴系)/メス)
飼い主さん今井さん(神戸市)
同居犬なし
性格知らない人に吠える人見知り。小学生の登下校時には怖さのあまり、ムダ吠えをしてしまうほど。
出会い以前飼っていた犬が1歳で亡くなり、しばらく犬は飼いたくないと思っていたところ、たまたま通りかかったペットショップで子犬のクックに遭遇。抱っこしたらあまりにもかわいらしく、気づけば家族の一員に。
飼育形態屋外飼育

リードを2本つないで長めにして自由に動き回れるようにしています。

今井クックちゃん

木村(以下青字) こんにちは、おじゃまします。本日の主役、クックちゃんはお庭ですね。お庭は広くて芝生もあって、これなら毎日のびのび過ごせそうですね。

今井さん(以下黒字) クックは芝生が大好き。春になるとぽかぽかの日だまりの中、気持ちよさそうに寝転がって日なたぼっこしています。本当に幸せそうな寝顔で、見ているこちらが癒されるほど。長生きのためには、のんびりとした環境も大切だと思うので、お庭では、リードを2本つないで長めにして、自由に動き回れるようにしています。

――こうしたのんびりした環境だから、クックちゃんは元気に長生きしてこられたのかもしれませんね。健康状態はどうですか? 若いころから体は丈夫なほうだったのでしょうか?

病気らしい病気というのはしたことがないですね。ただ、7歳のとき、ある朝起きたら、床にべったりと寝そべってぐったりしていて…。まったく起き上がれなくなってしまったので、病院に入院したことはあります。肝機能がすごく弱っていて、原因不明だったのですが、何か毒になるものを食べたのではないかということでした。でも、3日間入院したらすっかり元気に! 具合が悪くなったのはそれくらいなので、体は丈夫なほうだと思います。

――ワクチンや駆虫など、病気予防としてはどんなことをされていますか?

フィラリアの予防と、混合ワクチンと狂犬病の予防接種は行っていますが、ノミやダニの駆除は行っていません。健康診断も受けたことはありません。いたって健康で病気もほとんどしないので、動物病院へはワクチンの接種とフィラリアの薬をもらうときくらいしか行かないんです。最近、散歩から帰ってくると、ときどき後ろ足の付け根がけいれんするようになったのですが、毎日ではないから、いまも特に動物病院には連れていっていなくて…。

――後ろ足のけいれんですか? 年齢的なこともあるかもしれませんね。他に、年を取ったと感じることや体の変化はありますか?

この1〜2年で一気に老化が進んだなぁと感じます。まず、耳が遠くなりましたね。音に対する反応が鈍くなったようで、以前は玄関のドアを開けるとすぐに反応していたのに、最近は気づかずに寝ていることが多くなりました。それから目も悪くなってきたみたい。物にぶつかることはありませんが、目の前にいる人が誰だかわからないことはあるようです。とはいえ、歯は丈夫でしっかり噛んで食べています。認知症の兆候もありません。

サッカーボールを鼻先でトスするのが得意!老犬のわりにはけっこう走り回っています。

――お散歩はどうしていますか? 足のことを考えて少しセーブされているのでしょうか?

そうですね。2〜3年前までは休日には1時間かけて散歩することもありましたが、最近は、近所の公園を1周して10分くらいで戻るようにしています。クックもそれで満足しているようですし。でも、足がけいれんしなければ普通に歩きますし、公園の段差を平気で飛び降りることもあります。いまでも歩く速さは昔と変わらなくて、リードをぐいぐい引っぱって歩いています。散歩は1日2回。朝は主人が出勤前に、夜は私が連れて行きます。日中は家族みんなが不在でクックの相手をしてあげられない分、365日、散歩は欠かさないようにしています。

――体力はまだまだあるようですね。もともと活発なほうだったのですか?

老犬のわりにはけっこう走り回っているほうだと思います。息子がサッカーをしていた影響もあって、クックはサッカーボールで遊ぶのが大好き。ボールを蹴ると自分の鼻でポーンと器用に返すこともできるんですよ。遊ぶことが好きなので、いまでも朝の散歩から帰ってきて気分がよいと、しばらくおもちゃで遊んでいることもあります。

――いくつになっても無邪気でいいですね。そういう遊び心を忘れないところも、ご長寿の秘訣かもしれませんね。

食欲は旺盛!家庭菜園で実ったトマトも勝手に収穫して食べてました(笑)

――体重はいまどのくらいですか? 見たところ、体型的にはちょうどよいくらいじゃないでしょうか。

体重はあまり頻繁に測っていません。動物病院に連れていったときに測るくらいで。多少の増減はありますが、現在は10kgくらいです。6〜7年前は、ちょっと太っているかなという感じで12kgくらいありましたね。食事の内容や量を変えたわけではなかったので、体重が増えた理由はよくわかりませんでした。特にダイエットなどもしなかったけれど、結局、自然とやせていきました。

――食が細かったり食欲にムラがあったりするほうですか?

今井クックちゃん

いいえ、食欲は旺盛なほうだと思います。ドライフードを基本に、夏場はドライフードだけでは食べないときがあるため、缶詰をトッピングすることも。2〜3年前からはドライタイプよりも半生タイプを好むようになりました。でもそれ以上に、缶詰のフードを喜んで食べるんですよね。食事の回数は朝と夜の2回。夜の食事はおもに主人が与えることになっているのですが、たまに与えるのを忘れてしまうことがあって…。そうすると、最後に帰宅した人に(おもに娘なんですが…)、クックは必死で催促しています(笑)。

――おやおや、食事を忘れられちゃうことがあるんですか(苦笑)。クックちゃんが催促するのも無理はありませんね。食事はドライフード中心ということですが、特定の銘柄に決めているのですか?

いいえ、そのときどきでいろいろ試して変えています。毎回同じフードだと飽きるんじゃないかと思うので、1袋なくなったら次は違うものを買ってくるという感じです。銘柄を変えると食いつきも変わるんですよ。しかも、値段に比例しているというか、お値段が安いフードのときは「ふーん」という態度なのに、少し高いフードのときはおいしそうに食べる。態度ではっきりとわかるんです(笑)。だから、あまりおいしそうに食べないときは、違う銘柄のフードをミックスすることも。最近は年齢別のフードを選ぶようにしていて、「11歳用」が売っていればそれを購入するようにしています。

――フードの値段によって態度が明らかにちがうとは、クックちゃんはなかなかのグルメのようですね! ドッグフード以外に与えているものは何かありますか? おやつとか、人の食べ物のおすそ分けとか……。

毎朝、犬用のクッキーやビスケットを5〜6個あげています。大好きなんですよ。若いころは、人間の食べ物もおすそ分けしていました…果物やヨーグルト、パンなどいろいろと。悪い習慣なのですが、朝クックが家の中をのぞき込んで鳴き続けるので、つい甘やかして食べ物を与えていました。いまはなるべく、犬用のクッキーをあげるようにしていますが…。

――鳴いたら食べ物がもらえるという要求グセがついてしまったのかもしれませんね。

そうかもしれません。それから、夏場はのどが乾かないように、フードに牛乳をかけてあげることもあります。牛乳を飲んでも、クックのお腹は大丈夫なんです。何でもよく食べるので、ときどき缶詰のフードの代わりに人間のおかずをトッピングしてしまうことも…。あっ、あとは野菜も好きですね。以前、庭の家庭菜園で作っていたトマトが、赤く熟すと実がなくなっていることがあったんです。おかしいなぁと思っていたら、クックが食べていました(笑)。庭にはプラムの木もあるのですが、地面に落ちた実もすかさず食べています。

――勝手に収穫しちゃうなんて、トマトの食べ頃がわかっていたのかな。採れたて新鮮はやはりおいしいのでしょうね(笑)。

子どもたちの成長にも一役買ってくれました。クックの幸せそうな寝顔に癒されています。

――クックちゃんと過ごしたこの15年、振り返ってみるとどんな日々でしたか?

クックがわが家にやってきたのは、子どもたちがまだ小学生のころ。クックの存在は、子どもたちが成長していくうえで、よい影響を与えてくれたと思います。私が仕事で遅くなったら、息子や娘がクックを散歩に連れて行ったり、ご飯をあげたりして、誰に言われたわけでもなく、自発的に面倒をみてくれましたから。それから、外で嫌なことがあったり疲れて帰ってきたりしても、クックが体いっぱいに喜びを表現して出迎えてくれるのは、とてもうれしいことですね。クックの幸せそうな寝顔を見ているとこちらも癒されます。

――15年の歳月は大きいですよね。クックちゃんはまだまだ元気ですから、ぜひ20歳を目指してもらいたいものです。みなさんにお聞きしているのですが、長寿の秘訣って何だと思いますか?

特別なことは何もしてこなかったと思います。でも、食欲は健康のバロメーターですから、食事のことはいつも気にかけてきました。あまりおいしそうに食べていないなと思ったら、缶詰や手作りのものをトッピングして、喜んでくれるように工夫をしたり……。今後は、後ろ足のけいれんのこともありますので、無理のない適度な運動としっかりとした食事管理で、いつまでも元気でいられるように心がけたいと思います。

――食事は健康の基本ですし、愛犬がおいしそうに食べてくれることが、飼い主の喜びでもありますよね。クックちゃん、これからもしっかり食べてまだまだ元気でいてね。本日はどうもありがとうございました。

インタビューを終えて…(日清ペットフード那須研究所 研究担当 木村聖二)

クックちゃんは、ご家族の愛情をたっぷり受けながら、広い芝生の庭で自由にのびのびと暮らしていました。閑静な住宅街で、とても静かで空気もおいしい!  そうしたストレスの少ない環境がご長寿につながっているのかもしれません。奥様はクックちゃんの食欲の変化を敏感に受け止め、おいしく食べてくれるようにさまざまな工夫をされてきたようですし、日中は不在で一緒にいられない分、散歩は365日欠かさないように心がけているとのこと。こうした配慮の積み重ねが健康管理に結びついているようです。